PKM(個人知識管理)とは
PKM(Personal Knowledge Management/個人知識管理)は、情報を集め、自分の理解や出典を添え、後の仕事・学習で使えるようにする実践です。何を保存するかに加えて、どの問いに使い、後から根拠を確認できるかを考えます。
PKMは、保存から再利用までを扱う
単にメモを増やすだけでなく、「必要なときに見つけ、自分の判断や文章に使う」までを考えるのがこのページでのPKMの捉え方です。メモアプリは道具、PARAやCODEはその運用に使える方法です。特定のアプリや、全員共通の工程を指す言葉ではありません。
ここでは、仕事の締切や担当を扱うタスク管理、チームで承認済みの情報を共有するナレッジベースと区別します。個人メモで気づいたことをチームへ渡す場合は、根拠と共有できる範囲も確かめます。
2026年9月9日更新。筆者はシンプルメモの開発者です。以下の記入例と試行は、このサイトが作成した実践案です。
方法の違いを、困っていることから選ぶ
CODEはTiago Forteの方法で、PKM全体の定義ではありません。Harold JarcheはPKMをPersonal Knowledge Masteryという名称で説明しています。目的や単位が異なるため、以下を全部同時に導入する必要はありません。
| 方法・原典 | 主な焦点 | 試す場面 |
|---|---|---|
| PARA | Projects・Areas・Resources・Archivesに分け、今の仕事との関係で置き場所を決める。 | 置き場所で迷うとき。 |
| CODE / Building a Second Brain | Capture・Organize・Distill・Express。取り込んだ情報を成果物へ使う流れを考える。 | 保存して終わりになりやすいとき。 |
| Zettelkasten | 個々のノートと参照関係から考えを育てる方法。Luhmannの実物のカードはアーカイブで確認できる。 | 複数の読書・研究メモの関係を考えたいとき。 |
| Seek → Sense → Share | Harold JarcheのPersonal Knowledge Mastery。探す・意味づける・共有する学習の実践。 | 人との学びや仕事へつなげたいとき。 |
出典と使い道を残すメモのひな形
最初の1件では、タグを増やすよりも「どこから来た情報か」「自分はどう考えたか」を残します。下の5項目はこのサイトのひな形です。原典にない結論を、原典の主張として書かないようにします。
- 問い
- このメモで何を考えたいか。
- 出典
- 著者・題名・URL・ページ位置・確認日。自分の観察ならその状況。
- 内容と解釈
- 出典の要約と自分の考えを分ける。引用は引用だと分かる形に。
- 関係
- 関連ノートの名前と、どう関係するかを一文で書く。
- 使い道
- 次の説明・資料・判断のどこで使うか。未確認の点も残す。
記入用ひな形
# PKM:出典から使い道まで
## 問い
- 考えたいこと:
## 出典・観察の記録
- 著者/題名:
- URL/ページ位置:
- 確認日/観察した状況:
## 内容と解釈
- 出典の内容を自分の言葉で要約:
- 自分の解釈(出典の主張と区別):
- 未確認の点/反対の可能性:
## 関連するメモ
- ノート名/リンク:
- どう関係するか:
## 使い道
- 次に使う文章・説明・判断:
- 使った場所/見直し結果:
1件を、後から見つけて使うまで試す
以下はこのサイトが提案する試し方です。メモの件数やタグ数を成果にせず、「見つけられたか」「元の根拠を確認できたか」「実際に使えたか」で見直します。
- 今取り組んでいる問いを1つ決める。例:「会議の決定を、後で確認しやすくするには?」
- その問いに関係する資料を1つ読み、著者・場所・確認日を残す。
- 要約を自分の言葉で書き、自分の解釈や未確認事項を別の欄に書く。
- 関連するメモを1件だけ挙げ、関係を説明する。なければ無理にリンクを作らない。
- 後日、問いや出典から探し直し、説明文や判断に1か所使う。見つからなければタイトルや置き場所を直す。
シンプルメモを使う場合の役割
シンプルメモは、iPhoneで思いついた内容を入力し、自分宛メールや設定したObsidianの追記先へ残す入口として使えます。出典URLやページ位置も本文に添え、後でひな形へ整理します。知識の正しさの確認、ノート同士の関係づけ、成果物への利用は自分で行います。
メールの到着、Obsidianへの保存、別端末への同期は別々に確認します。通信や保管庫へのアクセスが必要な処理は、状況によって完了を待つことがあります。初回はObsidian連携の設定と保存確認を行ってください。紙や既存のメモアプリから始めても構いません。