Obsidian vs Logseq 比較検証

ObsidianとLogseq、どちらを選ぶ?

ネット上の比較記事の多くは、両方を実際に触らずに書かれています。このページでは同じフォルダを両方のアプリで開く実験を行い、プラグイン数は公式レジストリを実カウント(数値は定期的に再計測)して比較しました。2026年に入って起きたLogseq 2.0(DB版)への分岐まで含めて、いま選ぶならどちらかを整理します。

LogseqとObsidianはどちらが良いですか?

自由な形式のノート・長文・豊富なプラグイン(2026年8月14日の公式レジストリ実カウントで6,638個)を求めるならObsidian、すべてを箇条書きブロックとデイリージャーナル起点で書く運用が合うならLogseqが良い選択です。ただしLogseqは2.0(DB版)でノートの正本をMarkdownファイルからローカルデータベースへ移す移行期にあるため、「データをプレーンなMarkdownファイルとして持ち続けたい」を最優先する人の現時点の安全側はObsidian(または従来のファイル版Logseq OG)です。

両者は同じフォルダで共存でき、このページの検証では相互の書き込みも成立しました。迷ったら、下の比較表と実験結果を見てから決めても遅くありません。

ObsidianとLogseqとは — 30秒でおさらい

🪨 Obsidian
ローカルのMarkdownファイルをそのまま「保管庫(Vault)」として扱うノートアプリ。ファイルは普通の.mdで、[[リンク]]とグラフビューでノート同士をつなぎます。本体は個人・商用とも無料。開発元はDynalist Inc.(カナダ)で、ソースは非公開ですがデータは常に手元に残ります。
🧩 Logseq
「今日のジャーナルにブロック(箇条書き)で書き、あとからつながる」思想のアウトライナー型ノートアプリ。AGPL-3.0のオープンソースで本体無料。従来はMarkdown/Orgファイル保存でしたが、2026年7月公開の2.0(ベータ)からデータベース保存のDB版へ軸足を移しつつあります。

比較表 — 2026年8月時点

プラグイン数とテーマ数は、2026年8月14日に両方の公式レジストリ(GitHub上の登録データ)をこちらで直接数えた値です(初回計測は2026年8月11日)。推定や引用ではありません。

項目 Obsidian Logseq
本体の料金 無料(個人・商用とも) 無料・オープンソース(AGPL-3.0)
データの持ち方 ローカルのMarkdownファイル(保管庫=ただのフォルダ) ファイル版はMarkdown/Org。2.0(DB版)はローカルDB(SQLite)が正本
ノートの形 自由。見出し・段落・箇条書きを混在できる すべてがブロック(箇条書き)。段落文化ではない
デイリーノート 任意機能(既定 YYYY-MM-DD.md・書式変更可) 中心機能。起動するとまずジャーナルが開く(ファイル版は journals/2026_08_11.md 形式)
プラグイン数(実カウント) 6,638個 + テーマ691種 546個 + テーマ66種
同期 iCloud Drive等の自前同期は無料。公式Obsidian Syncは月$4(Standard・年払い)〜 ファイル版は自前同期(iCloud/Git等)が主流。DB版の公式同期(RTC)は招待制の有償アルファ
モバイル(iOS) iOSアプリあり(保管庫をiCloudに置けばiPhone単体でも運用可) ファイル版アプリあり。DB版の新iOSアプリは2026年時点でアルファ
開発の現在地 安定継続(検証時点の最新はv1.13.6) 移行期。DB版2.0ベータへ軸足、ファイル版は「Logseq OG」として分離継続
日本語の情報量 多い(書籍・解説記事とも充実) 相対的に少ない。2.0以降の日本語情報は特に希少

※ 検証バージョン: Obsidian 1.13.6 / Logseq 0.10.15(ファイル版)/ Logseq 2.0.1(DB版ベータ)。料金は2026年8月時点の公式情報に基づく米ドル表記です。

検証: 同じフォルダを両方のアプリで開くとどうなるか

「ObsidianとLogseqは同じMarkdownフォルダを共有できる」とよく言われますが、実際に何が起きるかを示した日本語の記事はほとんどありません。そこで、3つのノートを入れたフォルダを用意し、Obsidian → Logseq(ファイル版)の順で同じフォルダを開き、双方から書き込んでみました。

  1. Obsidianで保管庫として開く
    通常のノート・[[リンク]]・タグ・日付名のデイリーノート(2026-08-11.md)がそのまま機能。フォルダには設定用の .obsidian/ だけが追加されました。
  2. 同じフォルダをLogseqで開く
    Logseqは logseq/journals/pages/ の3フォルダを追加しました。既存ノートは削除も変換もされず、ルートに置いてあった日付名ファイルを、その日のジャーナルとして自動で統合表示しました。
  3. Logseq側から1行書き込む
    ジャーナルに追加したブロックは、Logseq専用ファイルではなくObsidianが作った 2026-08-11.md そのものに「- 」形式で追記され、Obsidianを開き直すとそのまま表示されました。往復が成立します。
# 検証フォルダの変化(実測・2026-08-11)

[1] 検証前
pkm-vault/
├─ プロジェクト構想.md
├─ Obsidianとの比較メモ.md
└─ 2026-08-11.md

[2] Obsidianで開いた後(追加は設定フォルダのみ)
pkm-vault/
├─ .obsidian/            ← Obsidianが追加
└─ (既存3ファイルは無変更)

[3] さらに同じフォルダをLogseqで開いた後
pkm-vault/
├─ .obsidian/
├─ journals/             ← Logseqが追加
├─ logseq/               ← Logseqが追加(config.edn等)
├─ pages/                ← Logseqが追加(contents.md)
└─ (既存3ファイルは無変更・削除も変換もなし)
Obsidianデスクトップ版(Linux)で検証用ノートを開いた画面。見出し・段落・wikiリンク・タグが自由な形式で混在している
Obsidian 1.13.6での表示。段落・リンク・タグが「書いた形のまま」のMarkdownで残る。
Logseqデスクトップ版(Linux)で同じフォルダを開いた画面。同じデイリーノートがジャーナルとしてブロック表示されている
同じフォルダをLogseq 0.10.15で開いたところ。Obsidianのデイリーノートがジャーナルに統合され、全行がブロックになる。
Obsidianで開いた2026-08-11.mdに、Logseqで入力した行が追記されて表示されている画面
往復の証拠。「15:20 This block was typed in Logseq 0.10.15」の行はLogseq側で入力したもので、Obsidianが作った同じファイルに追記されている。左のファイル一覧にはLogseqが追加した journals / logseq / pages も見える。
併用する場合の注意

共存はしますが、思想は混ざりません。Logseqは全行をブロックとして扱うため、Obsidianで書いた段落をLogseq側で編集すると箇条書き構造に組み替えられることがあります。またLogseqのジャーナル新規分は journals/2026_08_11.md(アンダースコア区切り)に作られ、Obsidianのデイリーノート既定(2026-08-11.md)と命名が食い違います。「読むのは両方・書くのは片方」に決めておくのが安全です。

書き味とグラフ — 同じ「つながるノート」でも思想が違う

最大の分かれ目は「段落で書くか、ブロックで書くか」です。Obsidianは普通の文書のように書けて、リンクは書き手が張った分だけつながります。Logseqはすべてが箇条書きブロックで、タグやページ参照が自動的にネットワークになります。グラフビューにもその差がそのまま出ます。実測では、同じ3ノートのフォルダでも、Obsidianのグラフは「ノート3つ+リンク1本」、Logseqのグラフはタグ(#アイデア・#PKM)までノード化されて6ノードになりました。

Obsidianのグラフビュー。3つのノートと1本のリンクが表示されている
Obsidianのグラフ: ノート=ノード。張ったリンクだけがつながる。
Logseqのグラフビュー。ページに加えてタグもノードとして表示されている
Logseqのグラフ: 同じフォルダでもタグがノード化され、自動的につながりが増える。

【2026年の重要変化】Logseq 2.0はMarkdownファイルをやめる

2026年7月13日、Logseqは2.0ベータ(DB版)を公開しました。ノートの正本はMarkdownファイルではなくローカルのデータベース(SQLite)になり、従来のファイル版は「Logseq OG」として別リポジトリで継続されます。実際にDB版(2.0.1)を起動して確かめました。

🗄️ 検証で確認できたこと
DB版はフォルダを選ばずに初回起動からすぐ書き始められ、入力したブロックはMarkdownファイルとしては一切生成されませんでした(アプリ内のデータベースに保存)。ファイル版にあった「フォルダを選ぶ」導線そのものが初期画面から消えています。
🔀 2系統への分岐
公式の位置づけでは、DB版がこれからの本流(リアルタイム共同編集や新モバイルアプリはこちら)、ファイル版=Logseq OGは「ノートを編集可能なローカルファイルのまま持ちたい人向け」として続きます。移行は強制ではありませんが、開発の重心は移ります。
Logseq 2.0.1(DB版)のジャーナル画面。フォルダを選ばずに入力したブロックが表示されている
Logseq 2.0.1(DB版ベータ)。フォルダ選択なしで書き始められ、このブロックはMarkdownファイルには存在しない——保存先はアプリ内のデータベースになる。

この分岐が選択にどう効くか。「10年後もテキストエディタで開けるファイルでノートを残したい」という理由でこの2つを比べているなら、その基準を今も満たし続けるのはObsidianとLogseq OGです。一方、ブロック構造・型付きプロパティ・リアルタイム共同編集といった新機能に魅力を感じるなら、Logseq DB版は追う価値のある進化です(ただしベータであることは織り込んでください)。

料金 — 本体はどちらも無料。払うのは同期から

項目 Obsidian Logseq
アプリ本体 無料(2025年以降は商用利用も無料) 無料(オープンソース)
公式同期 Obsidian Sync: Standard 月$4/Plus 月$8(年払い。月払いは$5/$10) DB版の同期(RTC)は招待制の有償アルファ。ファイル版に公式同期の一般提供はなし
無料で同期する方法 iCloud Drive(iPhone併用の定番)/Git/Syncthing等 同左(ファイル版のみ。DB版のグラフはファイル同期では運べない)

結論 — こう選ぶ

🪨 Obsidianが向く人
長文や段落で書きたい。プラグインやテーマで自分仕様に育てたい。日本語の情報が多い方が安心。データを何十年も普通のMarkdownファイルで持ち続けたい。迷ったらこちらが失敗しにくい選択です。
🧩 Logseqが向く人
頭の中が箇条書きで動く。まず今日のジャーナルに書き、整理は「あとからつながる」に任せたい。TODO管理をノートと一体にしたい。オープンソースであることに価値を感じる。
🔁 併用したい人
検証のとおり同じフォルダで共存できます。おすすめは閲覧・検索は自由に、書き込みは片方に固定。ObsidianメインならLogseqはジャーナル閲覧用、と役割を分けると事故が起きません。
🧭 まだ迷う人へ
どちらも無料なので、同じフォルダをまず両方で1週間ずつ使うのが最短です。このページの実験のとおり、試すこと自体にリスクはほぼありません(書き込みは片方ずつに)。

どちらを選んでも残る課題 — iPhoneでの「一瞬のメモ」

ObsidianもLogseqも「書いた後の整理と接続」が主戦場で、歩いている瞬間の1行を残す速さは主目的ではありません。移動中のキャプチャが多いなら、保管庫(iCloud Drive上のフォルダ)へ直接追記する軽い入力用アプリを足す構成が実用的です。Obsidian連携シンプルメモは、送信したメモを自分宛メールに残しつつ、Obsidianのデイリーノートへ自動追記します。SiriやApple Watchからも入ります。なお追記先はObsidian形式(YYYY-MM-DD.md等)で、Logseqの journals/ 命名やブロック形式には対応していません。Logseqを選んだ方はSimpleMemoとLogseqの比較も参考にしてください。

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よくある質問

ObsidianとLogseqは併用できますか?
できます。検証では、Obsidianは.obsidian、Logseqはlogseqjournalspagesをそれぞれ作って共存し、互いの設定を壊しませんでした。Logseq(ファイル版)で入力したブロックは同じMarkdownファイルに「- 」形式で追記され、Obsidian側にも即座に表示されます。ただしLogseqはすべてを箇条書きブロックとして扱うため、長文の段落をLogseq側で編集すると構造が変わることがあります。書き込みは片方を主にしてください。
LogseqからObsidianへ移行できますか?
ファイル版Logseq(0.10系/Logseq OG)ならデータはMarkdownなので、そのフォルダをObsidianで開くだけで読めます。ただし全行が「- 」の箇条書きで、ジャーナルのファイル名が2026_08_11.md形式(アンダースコア)である点はObsidianの既定と異なります。移行後にデイリーノートの日付書式とフォルダを合わせてください。DB版(2.0)からはエクスポート機能を経由します。
Logseqは無料ですか?料金はかかりますか?
アプリ本体は無料で、AGPL-3.0のオープンソースです。必須の課金はありません。2026年8月時点では、DB版向けの公式同期(RTC)が招待制の有償アルファとして始まった段階で、ファイル版の同期はiCloud DriveやGitなどを自分で用意するのが主流です。Obsidianも本体無料で、有料なのは公式同期のObsidian Sync(Standard 月$4・年払い)などのサービスだけです。
Logseq 2.0(DB版)でMarkdownファイルはどうなりますか?
2.0(ベータ)はノートの正本をローカルのデータベース(SQLite)に保存します。検証でも、DB版で入力したブロックはMarkdownファイルとしては生成されませんでした。従来のファイル版は「Logseq OG」として別リポジトリで継続されます。プレーンなMarkdownファイルでノートを持ち続けたい場合は、ObsidianまたはLogseq OGが該当します。
プラグインの数はどちらが多いですか?
2026年8月14日に公式レジストリを直接数えた結果(初回計測は2026年8月11日)、Obsidianはプラグイン6,638個・テーマ691種、Logseqはプラグイン546個・テーマ66種でした。約12倍の差があります。ただしLogseqはジャーナルやTODOなど中核機能が本体組み込みで、プラグインなしで完結する範囲は広めです。
iPhoneだけで使えますか?
どちらもiOSアプリがあります。Obsidianは保管庫をiCloud Driveに置けばiPhone単体で運用できます。Logseqはファイル版アプリに加え、DB版の新iOSアプリが2026年からアルファ提供中です。どちらの場合も、思いついた瞬間の1行にはアプリ起動と同期の待ちが挟まるため、デイリーノートへの追記を速くする方法を組み合わせる人が多いです。
検証環境と検証範囲

検証日: 2026年8月11日 / 対象: Obsidian 1.13.6・Logseq 0.10.15(ファイル版)・Logseq 2.0.1(DB版ベータ)/ 環境: Linuxデスクトップ(Ubuntu 24.04)。掲載スクリーンショットはすべて上記デスクトップ版を実際に操作して撮影したものです。プラグイン数・テーマ数は2026年8月14日に各公式レジストリ(GitHub)を直接再カウントして更新した値です(初回計測は2026年8月11日)。iOSアプリの操作感・性能は本記事では検証していません(iOSに関する記述は公式情報に基づきます)。料金・提供状況は変わる可能性があるため、契約前に公式サイトでご確認ください。

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参考文献・データの出典

ObsidianはDynalist Inc.の商標です。LogseqはLogseqプロジェクトの名称です。本サイトは両プロジェクトと提携関係にない独立メディアで、Obsidian連携シンプルメモは株式会社ユリカが開発する独立アプリです。