Obsidian × iCloud の設定手順

ObsidianをiCloudで同期する設定手順

iPhoneとMacだけなら、追加の契約も別アプリも要りません。要るのは保管庫を正しい場所に置くことと、ファイルを端末に置いたままにしておくことの2つだけです。公式ドキュメントの原文にあたって手順を並べます(方式の比較は再掲しません)。

ObsidianをiCloudで同期するにはどうすればいいですか?

ひとことで言うと

iCloud Driveをオンにしたうえで、保管庫を「iCloud Drive → Obsidian」フォルダの中に作ります。iPhoneなら保管庫の新規作成時に「iCloudに保存」をオンにするだけ、Macならファイルピッカーで iCloud Drive の中の Obsidian フォルダを選ぶだけです。

2台目では「保管庫としてフォルダを開く」から同じフォルダを指定します。公式ドキュメントが警告しているのは置き場所で、iCloud Drive/Obsidian/[保管庫名] の外に作ると同期の問題が起きます。

手順1: iCloud Driveをオンにする

ほとんどの端末では既にオンですが、確認しておきます。オフのままだとフォルダは作れても同期は始まりません。

  1. iPhone / iPad
    「設定」→「[自分の名前]」→「iCloud」→「iCloud Drive」をオンにします。
  2. Mac
    「システム設定」→「Apple ID」→「iCloud」→「iCloud Drive」をオンにします。

手順2: iCloudの中に保管庫を作る

最初の1台で作ります。iPhoneとMacのどちらから作っても構いませんが、作り方が違います。iPhoneはトグル1つ、Macはフォルダを自分で選びます。

iPhone / iPad で作る場合

  1. Obsidianを開き、「保管庫を新規作成」をタップします。
  2. 保管庫の名前を入力します。
  3. 「iCloudに保存」をオンに切り替えます。ここが本体です。オフのまま作ると、その保管庫は端末の中だけに残ります。
  4. 「作成」をタップします。

Mac で作る場合

  1. Obsidianを開き、「保管庫を新規作成」を選びます。
  2. ファイルピッカーで iCloud Drive → Obsidian に移動します。
  3. 保管庫用のフォルダを作り、名前を付けます。
  4. 「作成」を選んで完了です。
なぜ「Obsidian」フォルダの中なのか

iCloud Driveの中には、アプリが自分用に持つ領域があります。Obsidianのアプリアイコンが付いた「Obsidian」フォルダがそれで、iOS版のObsidianが読み書きするのはこの中です。同じ名前で自分で作ったプレーンなフォルダは別物で、公式ドキュメントは「アプリアイコンのないプレーンなフォルダは使用しないでください」と名指しで警告しています。

手順3: 2台目で同じ保管庫を開く

2台目では新規作成しません。既にあるフォルダを開きにいきます。ここで新規作成してしまうと、同じ名前の保管庫が2つ並ぶことになります。

  1. 2台目のMacまたはiPhoneでObsidianを開きます。
  2. 保管庫スイッチャーを開き、「保管庫としてフォルダを開く」を選びます。
  3. iCloud Drive → Obsidian に移動し、1台目で作った保管庫フォルダを選びます。

つまずくのはだいたいこの3つ

「iCloudで同期できない」の相談は、手順そのものより置き場所・退避・重ねがけのどれかに当たっていることが多いです。3つとも公式ドキュメントが名指しで警告しています。

つまずき 1

保管庫が「Obsidian」フォルダの外にある

正しい場所は iCloud Drive/Obsidian/[保管庫名] です。iCloud Drive直下や「書類」の中に作った保管庫は、iOS版のObsidianから見えないか、同期の問題を起こします。確かめ方は次のとおりです。

  1. iPhoneで「ファイル」App を開きます。
  2. 「ブラウズ」をタップし、「場所」の下の iCloud Drive を選びます。
  3. 保管庫が Obsidian フォルダの中にあることを確認します。別の場所にあるなら、Obsidianフォルダの中へ移動します。
つまずき 2

iCloudがファイルを端末から退避している

iCloudには、使っていないファイルの実体を端末から追い出してクラウドだけに残す仕組みがあります。Obsidianは保管庫の中身に直接アクセスするので、実体が無いとファイルが見つからない扱いになります。公式ドキュメントのFAQは、この退避が同期の問題の原因になると明記しています。対処はmacOSのバージョンで違います。

環境 やること 影響範囲
macOS 15(Sequoia)以降 iCloud Drive内の Obsidian フォルダを右クリックし、「ダウンロードを維持」を選ぶ Obsidianのフォルダだけ
macOS 14(Sonoma)以前 iCloud設定の「Macストレージを最適化」をオフにする 端末上のすべてのiCloudストレージ

公式ドキュメントはこれを「任意だが、読み込みを速く保つために強く推奨」と位置づけています。macOS 14以前の設定はObsidian以外にも効いてしまうので、そこは承知のうえで切る必要があります。

つまずき 3

同期方式を重ねがけしている

公式ドキュメントは「同期サービスの混在を避ける」という項目を立て、同じ保管庫を複数のサービス(例としてObsidian SyncとiCloudの同時利用)で同期しないよう案内しています。理由はデータの競合や破損を防ぐためです。無料のiCloudで足りているところに公式Syncを試したくなったら、どちらか一方に寄せてから切り替えてください。

同じ理由で、WindowsのiCloud Driveは避けます。公式ドキュメントはiCloudの推奨システムを macOS・iOS・iPadOS とし、Windows上のiCloud Driveではファイルの重複や破損が発生する可能性があると明記しています。WindowsやAndroidも使うなら、iCloud以外の方式を選ぶことになります。

iCloudが運ぶのは「フォルダまるごと」

保管庫はただのフォルダで、中には書いたMarkdownファイルのほかに、設定を収めた .obsidian フォルダが入っています。iCloud Driveはフォルダ単位で同期するので、ノートだけでなく設定も一緒に運ばれます。多くの人にとってはこれが便利な既定です(テーマもホットキーも2台で揃う)。

端末ごとに設定を分けたい場合は、公式ドキュメントが設定フォルダを端末ごとに変える機能を案内しています(Syncthingの項でも「端末ごとに設定を分けたいなら .obsidian を同期対象から外す」と書かれており、設定が保管庫の中にあることが前提になっています)。iCloudには除外指定がないので、分けたいならこの機能を使うことになります。

日本語の公式ヘルプは、英語版と同じ内容か

翻訳ドキュメントは英語版から遅れることがあるので、この記事を書いた日に両方を取得して突き合わせました。結果は「同じ」です。日本語で読んで問題ありません。

比べたもの 英語版 日本語版
見出し(h2/h3) 10 10(1対1で対応)
注意書き(コールアウト) 12 12
iCloudの節の中身 手順・場所の警告・ダウンロード維持 同じ(訳語も対応)
ファイルサイズ 12,796 bytes 17,355 bytes

バイト数の差は日本語がUTF-8で1文字3バイトになるためで、内容の差ではありません。なお公式リポジトリは英語版を正と定め、全ページを各言語に1対1で用意する方針を明記しています。翻訳の遅れが起きうるのはその方針の運用上の話なので、疑わしいときは英語版を見るのが確実です。

iCloud上の保管庫に、外から書き込むということ

iCloudで同期している保管庫は、Obsidian以外のアプリからも「ただのフォルダ」として書き込めます。ただしiCloudの同期プロセスとObsidian本体が同じファイルを触っている場所なので、雑に書くと取りこぼしが出ます。Obsidian連携シンプルメモがそこで何をしているかを、実装から正直に書きます。

📁 選ぶのは一度だけ
保管庫フォルダをファイルAppのピッカーで一度選ぶと、そのアクセス権をブックマークとして保持します。以後はObsidianを開かずに追記します。条件は、そのフォルダがiCloud Driveか「このiPhone内」にあり、ファイルAppからアクセスできることです。
📝 書き込み先
その日のデイリーノート yyyy-MM-dd.md、または固定のInboxノート <Inbox名>.md の末尾に1行足します。ファイルが無ければ作ります。デイリーノートへの追記の詳細は別ページにあります。
🤝 iCloudと衝突しない書き方
書き込みは NSFileCoordinator を通します。これはiCloudの同期プロセスやObsidian本体と協調して読み書きするためのApple標準の仕組みで、同じファイルを同時に触ったときの取りこぼしを防ぐためのものです。連続送信も専用のキューで直列に処理します。
書けなかった分
その場で書けなかったメモは端末内のキューに退避し、次にアプリが前面に戻ったときに元の受付時刻のまま追記します。退避中の本文はAES-GCMで暗号化して保存します。iCloud同期のぶん、Obsidianの画面に出るまで数秒のラグがあります。
保管庫を一度選べば、あとは書くだけ

ダウンロードは無料。iCloud Drive上の保管庫フォルダを一度選ぶだけで設定は終わりです。

App Store からダウンロード
App StoreダウンロードQRコード PCの方はスマホで読み取り

よくある質問

保管庫はiCloud Driveのどこに置けばいいですか?
iCloud Drive直下ではなく、iCloud Drive の中の「Obsidian」フォルダの中です。公式ドキュメントは iCloud Drive/Obsidian/[保管庫名] という場所を明示し、Obsidianのアプリアイコンが付いたフォルダを使うこと、アイコンのないプレーンなフォルダは使わないことを警告しています。ファイルAppで「ブラウズ → iCloud Drive」を開き、保管庫がObsidianフォルダの中にあるか確認してください。
iPhoneでノートが空だったり最新でなかったりします
iCloudがファイルを端末から退避(オフロード)している可能性があります。公式ドキュメントのFAQは、iCloudの「Macストレージを最適化」やOneDriveのFiles On-Demandでファイルが退避されるとObsidianがファイルにアクセスできず同期の問題になると説明しています。macOS 15以降はObsidianフォルダを右クリックして「ダウンロードを維持」、macOS 14以前は「Macストレージを最適化」をオフにしてください。
iCloudと公式Obsidian Syncを両方使ってもいいですか?
公式ドキュメントは「同期サービスの混在を避ける」として、同じ保管庫を複数のサービス(例: Obsidian SyncとiCloudの同時利用)で同期しないよう案内しています。理由はデータの競合や破損を防ぐためです。1つの保管庫には1つの同期方法にとどめてください。方式そのものの比較は同期方法まとめにあります。
WindowsのiCloud Driveでも同期できますか?
公式ドキュメントは、iCloudの推奨システムを macOS・iOS・iPadOS とし、Windows上のiCloud Driveではファイルの重複や破損が発生する可能性があると明記しています。WindowsやAndroidを含めたいなら、iCloud以外の同期方法を選んでください。
Obsidian連携シンプルメモはiCloud上の保管庫に書き込めますか?
書き込めます。ファイルAppからアクセスできるフォルダを一度選ぶと、以後はObsidianを開かずにその日のデイリーノート(yyyy-MM-dd.md)またはInboxノートへ追記します。書き込みは NSFileCoordinator を通して行い、iCloudの同期プロセスやObsidian本体と競合しないようにしています。iCloud同期のため、Obsidian側の画面に出るまで数秒のラグがあります。
検証環境と検証範囲

検証日: 2026年8月27日 / 環境: Linux(macOS・iOS実機なし)。実測(このセッションで実際に取得・突き合わせた): Obsidian公式ドキュメントのソースリポジトリ obsidianmd/obsidian-help から、英語版 en/Getting started/Sync your notes across devices.md(12,796バイト)と日本語版 ja/はじめに/デバイス間でノートを同期する.md(17,355バイト)を直接取得し、見出し10個・コールアウト12個が1対1で対応することを機械的に照合。本文中の手順・警告文はこの原文から引用しています。公式情報に基づく記載(実機未検証): iPhone/Macの設定画面の遷移、「ダウンロードを維持」「Macストレージを最適化」の挙動、Windows上のiCloud Driveの注意。いずれも上記の公式ドキュメント記載であり、この環境に該当OSが無いため画面では確かめていません。一次情報(自社実装): Obsidian連携シンプルメモの書き込み方式(NSFileCoordinator経由の追記・書き込み先のファイル名・端末内キューのAES-GCM暗号化)は、当該アプリの実装から記載しています。この環境で検証できなかったこと: iCloud Driveの実際の同期挙動・競合時の挙動(macOS/iOSが無い)。競合時の壊れ方については同期方法まとめで扱っており、そちらもiCloudは実機検証できていません。公式ドキュメントは更新されるため、最新は公式サイトでご確認ください。

関連ページ

参考文献